家の作りやうは、真夏と真冬をむねとすべし。

【家の作りやうは、夏をむねとすべし。】

知っている人もいらっしゃるかと思いますが、兼好法師が家の作りについて書いた『徒然草』の有名な一節です。直訳すると、「家の作りようは、夏を中心にしたほうがよい。」です。昔の家であれば当然エアコンなんてものはありません。夏の暑さは衣服ではどうにもならないので通風のとれた涼しい家にしておく方がよい、冬は衣服を着こめば乗り切れるという我慢強い日本人らしい言葉だなと感じます。

この徒然草の言葉もあってか、日本は現代であっても「夏は暑く、冬は寒い」家が多く、世界的に見て日本の断熱性能基準はとても低いそうです。

びっくりすることに、2016年に定めた最高等級となる等級4は、1999年の「次世代省エネ基準」とほとんど変わっておらず、20年以上も断熱基準が変わっていないのです。これは先進国の中でも最低レベルだそうです。(現在、省エネ基準は努力目標であって義務ではない)

そして、2025年にようやく新築住宅に対して省エネ性能基準の義務化が始まる予定です。しかも2016~2022年で最高等級だった等級4クラスが、2025年以降は最低等級となるくらい、一気に基準が上がります。
それだけ断熱の考え方が遅れていることに気付き、国が動き始めたということだと思います。

国土交通省 ③住宅の品質確保の促進等に関する法律に基づく住宅性能表示制度におけるZEH水準を上回る等級について

住宅の高断熱化は、「夏は涼しく、冬は暖かく」なることはもとより、省エネ性能の向上により光熱費を抑えることができます。また、住宅ローンの金利優遇税制優遇(住宅ローン控除)補助金額アップのメリットもあります。

明神綜合建設では、断熱等級6(HEAT20 G2レベル)相当の断熱基準を目標に掲げています。これは2022年に新設されたZEH基準(等級5)よりも高い基準です。現在、物価の上昇により、住宅の価格は非常に高騰しています。断熱性能を上げれば、当然建築コストも上がります。しかし、断熱性能は家の快適さに直結します。コストをかけるだけの価値があると弊社は考えています。

これから新築を検討されている方には、後悔のない家づくりを目指して頂きたいと思います。

冒頭の徒然草の一句を現代版にするなら、厳しい暑さと寒さにも対応できるよう「家の作りやうは、真夏と真冬をむねとすべし。」でしょうか。

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